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実家の管理 [家事]

実家を相続しました。
弟とのうるわしき譲り合いのもと、筆頭相続人たる私が相続することになりました。

1969年築の実家はもう築46年。
父が独身時代に節約して貯めたお金を頭金に、ローンを組んで購入したものです。
父は昭和15年に父親、つまり私の祖父を亡くしました。当時父は7歳。保険は下りたそうですが、祖母はその保険金で家を買わずに生活費に充てようとしたそうです。ところが、戦後のインフレで現預金が紙くずになってしまい、食うや食わずやの生活をすることになってしまったそうです。それ以来金銭的に大変苦労して育った父。
その結果、国家に価値を変動させられる現預金が嫌いで不動産への執着が強く、ケチケチと過ごしてお金を貯め、結婚前には建て始めていました。
いわゆる高度成長期に山を開発して出来た郊外の住宅地。母とお見合いをしてすぐに建築中の家を見せたそうです。行き先を告げられず車に乗せられて連れて行かれたと母から聞きました。なかなか着かんけど何処に向かってるんやろか、と不安になる位当時の道路事情では駅から時間がかかったそうです。

今では考えられませんが、建築当初は
土地の周囲に柵がありませんでした。柵は父が作ったそうです。庭木も全て父が植えたもの。特に、玄関の前のユスラウメは亡くなった兄の中学の卒業記念樹。父が亡くなる直前の最後のお花見に出た時には満開でした。昨年は殆ど花が咲かずで、やっぱり兄が父を送るためにたくさん花を咲かせたんだろうな、と思ったものです。母が昨秋亡くなったためか今年もたくさんの花を咲かせていたようで、先日の法事の際に少し花が残っていました。

土地の周囲の柵、階段の踏み石、ガレージに入るドア。庭のコンクリート面に描いた模様、擁壁の塗装。
父が色んなことを自分でやるのを、私は見ていました。
工学部電子工学科に行きたかったけど様々な事情で行けず、高卒で会社に入るしかなかった父。入社後に夜間で大学に通いました。夜間では工学系が選べず、経済にしたそうです。
自分で手を動かして物を作るのが大好きでした。
それを見て育った私もものづくりが大好き。メーカーに就職してものづくりに携わっていますし、家具を自分で作ったりしています。

バス停から近く、前の道路も広く、とても広い車庫もあり、ひな壇になっていて道路からも見えず、日当たりもとっても良い。売ろうと思えばソコソコの値段で売れるでしょうし、古い実家を置いといても資産としては何の価値も産まない。分かっている
のですが、一度売ったらもう取り戻すことは出来ない。実家を売ると、多分もう実家のあった地域に来ることもない。実家を売るというのは、色んな思い出を一緒に処分する、そんな気がしてい
ます。

まだ母の仏事もあるし、仏壇を持ってくる場所もありません。
管理をするのは手間ですが、しばらくこのまま様子をみたいと思っています。

しん
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